従業員が10人未満の会社でも就業規則を作成するべき?就業規則を作成するメリットを解説

更新日:2024/11/11

就業規則

雇用する従業員が常時10人以上の会社は就業規則の作成、届出が義務付けられていますが、10人未満の場合はどうすべきか、頭を悩ませるポイントでしょう。 本記事では従業員が10人未満の会社の就業規則について、従業員数の考え方や、就業規則作成のメリットを紹介します。 なお「会社 10人以下」等で検索し、本記事をご覧になっている方もいらっしゃるかと思いますが、10人以上に該当しない=10人未満ですので、以下10人未満の表記に統一の上解説します。

就業規則の作成義務がないことをどう解釈するか

冒頭でお伝えした通り、就業規則の作成が義務付けられているのは労働者が常時10人以上の事業所です。
つまり、従業員が常時10人未満の場合、就業規則の作成義務はありません。
ここで気を付けたいのが、就業規則の作成義務がない=就業規則を作成する必要性がない、というわけではないという点です。

ワンマン経営の限界

政府の働き方改革推進を背景に、テレワークや副業、フリーランスなど多様な働き方が普及し、働くことへの価値観がより一層大きな変化を見せています。
そのなかで、就活サイト「ONE CAREER」を運営する株式会社ワンキャリアが2025(令和7)年卒の学生向けに実施したアンケートによると、なんと4割もの学生が転職を前提に新卒で入社する先を決定する意向があるという結果が出ています。
この結果を見ると、終身雇用が絶対視された一昔前と比べ、なんとしてでも会社にしがみつこう、というある種の帰属意欲は低下する傾向にあると言えます。
そうなると、経営者の威厳等によるコントロールはこれまでに比べ機能せず、今後の労働者の価値観についていけなくなることが懸念されます。
誤解を恐れずに言うと、「経営者の言うことが社内のルールである」という経営スタイルは今後衰退していくことも考えられます。
これらの変化に目を向けると、従業員が定着しより良いパフォーマンスを発揮してもらうには、経営者の鶴の一声による経営から脱却し、確立されたルールに則ったコントロールが必要です。

社内ルール確立の重要性

会社を家に例えると、就業規則をはじめとする社内ルールは基礎の部分と言えます。
家の基礎の部分に欠陥があっても外見上は分かりませんし、実際に住んでみないと分かりません。実際に住んでみて、すぐにおかしいなと気付くこともあれば、気付くまで時間がかかることもあるでしょう。
これと同じことが組織についても言えます。
事業を創業した段階では、創業者のカリスマ性やセンスに焦点が当たり、事業を軌道に乗せることが最優先になります。その結果、今後組織が成長するにつれて必要となる社内統制、労務管理等の管理業務はこの段階では優先度が下がってしまいます。
しかしながら、創業者と距離が近い創業メンバー、家族等で事業を運営している段階では目立った弊害が発生しないことも多いため、まるで突貫工事のようにそのまま外部から従業員を雇用し組織の規模が拡大していきます。
ところが、事業ビジョンや事業にかける熱い思いを共有できていた創業メンバーとは異なり、従業員として組織に参加する者の多くは生活の糧を得るために仕事を求め、労働の対価たる給与に見合わない仕事内容、待遇、要望には不満を生じるようになります。
その中でも、「自身が従うべき」「自身がコントロールされる根拠となる」ルール・指針が曖昧、不明確という状態は経営者が思う以上に従業員に不安と不満を生じさせ、これらの消極的な感情は仕事への意欲低下に直結してしまいます。
入社当初はまだ入ったばかりで気付かない、もしくは目を逸らしていたほころびも徐々に目につくことが増え、入社前に抱いていたイメージとのギャップが従業員それぞれの許容範囲を超えた途端、これまで溜め込んでいたストレスが爆発し、離職に至ることが多くあります。
従業員管理においてこのルール・根拠となるのが就業規則であり、組織の基礎にあたる部分です。家の外見=事業内容、対外的な広報活動が魅力的であれば人は集まりますし、家の基礎=就業規則をはじめとする社内ルールは外からは見えません。
しかし、不十分な基礎の上に建つ家はほどなくほころびが現れ、ほころびが大きいほど大がかりな修繕工事、最悪の場合は基礎から建て直しが必要になり、これは組織においても同じです。
創業当初、もしくは従業員が少ない段階で就業規則、またはそれに変わるルールがなくても組織は一定期間存続できますが、大なり小なり弊害が遅れてやってきます。

70歳までの就業確保措置は「努力義務」

先に解説した65歳までの雇用確保措置に加え、2021年4月から70歳までの就業確保措置が努力義務として定められています。
ここで求められている措置が、65歳までは「雇用」確保措置であるのに対して、70歳までは「就業」確保措置、とその名称が異なります。
65歳より後は「創業支援」、つまり雇用ではない業務委託等によって働く環境を提供することも認められているため、雇用よりも広い範囲を指す就業の文言が用いられているのです。

大企業の場合

                         
採用する労働者助成金の合計額支給期数
高年齢者、母子家庭の母等50万円 (短時間:30万円)25万円×2期 (短時間:15万円×2期)
身体・知的障害者50万円 (短時間:30万円)25万円×2期 (短時間:15万円×2期)
精神障害者、重度知的障がい者等100万円 (短時間:30万円)33万円※2 ×3期 (短時間:15万円×2期)

※1 下記の図のように、採用直後の給与計算の締日の翌日(給与計算の締め期間に採用の場合は採用日)から6カ月間ごとに区切った期間を第1期、第2期・・・と数えます。

対象となる事業主の要件

先に解説した対象労働者の要件に加え、事業主が次の①~⑤のすべてに該当する場合、特定求職者雇用開発助成金の対象となります。

①雇用保険の適用事業主であること


採用した労働者が雇用保険に加入することが条件となっていますので、採用する事業主が雇用保険の適用事業主になっていることが必要です。

②対象労働者の賃金を支払っていること


未払いの賃金が生じている場合は対象外となります。

③労働保険料を滞納していないこと


労働保険料を滞納している場合も対象外となります。

④対象労働者の採用前後それぞれ6カ月間に事業主都合の解雇者等がいないこと


労働者本人の責めに帰すべき重責解雇を除き、対象労働者の採用日の前後それぞれ6カ月間に事業主都合の解雇者がいる場合は対象となりません。
また、事業主都合の解雇のほか、事業主の行う事業を離職した後ハローワークにて失業給付を受給するにあたり、離職理由が会社都合と判断された者が一定の人数以上いる場合も同様に対象外となります。

⑤過去に同じ助成金を受けた対象労働者を解雇等していないこと


過去に特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の支給決定の対象となった労働者を、今回の支給申請の前日から過去3年間の間かつ、支給決定の対象となった労働者の採用から一定期間中に解雇等している場合は対象となりません。

特定求職者雇用開発助成金を受給するには

受給までの流れ

①ハローワーク等からの紹介


解説した通り、既に選考が始まっている場合は対象となりません。

②対象労働者の選考、雇用


こちらも既に解説した通り、最低でも週に20時間以上働く雇用保険被保険者として雇用した場合に限られます。

③労働局から事業主へ申請書類の郵送


ハローワークを運営する都道府県労働局によって多少発送のタイミングは異なりますが、求人の内容、雇用保険加入状況を確認のうえ対象となる見込みがある場合、概ね雇用から3~4カ月前後で申請書類一式が届きます。
このように、ハローワーク側から助成金の申請についてお知らせしてくれるのが特定求職者雇用開発助成金の大きなポイントです。

④第1期の支給対象期の翌日から2カ月以内に申請


先ほども参考にした15日締めの事業主が4月1日に採用した場合、10月16日~12月15日が第1期の支給申請期間となります。
※キャリアアップ助成金の支給対象期に対応する給与の支給日翌日から2ヶ月と混同しないよう注意が必要です。

⑥申請受理後、審査を経て数か月後に支給決定


審査結果は書面で通知され、支給決定の場合は書面での通知と併せて指定の口座に入金されます。
第2期以降も⑤・⑥を繰り返すことになります。

提出書類

労働局から郵送されるもの


・支給申請書(様式第3号)
・対象労働者雇用状況等申立書(様式第5号)
・支給要件確認申立書(共通要領様式第1号)
・支払方法・受取人住所届(※助成金申請が初めての場合)

各様式の記入例や、紛失した場合の様式はこちらをご覧ください。

特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)|厚生労働省

事業主が用意するもの


・賃金台帳等
・出勤簿等
・対象者であることを証明するための書類(運転免許証、児童扶養手当認定通知書、障害者手帳等)
・雇用契約書又は雇入通知書

上記の他にも提出を求められる場合がありますので、その際は審査にあたる労働局・ハローワークの指示に従ってください。

提出先

・事業所を管轄するハローワーク
・上記ハローワークを運営する労働局の助成金担当部署

労働局ごとに助成金申請書類受理業務の配置が異なりますので、個別の提出先は労働局からの案内文にてご確認ください。

提出期限

支給対象期末日の翌日から2カ月以内です。(休日で閉庁日にあたる場合は翌開庁日)

従業員10人未満の事業所が就業規則を作成するメリット

ここまでお伝えした通り、就業規則の作成が義務付けられない従業員10人未満の事業所においても就業規則を含む社内のルールを早くから作り上げていくことは、法律上義務付けられていないものの、事業を長く続けていくうえで不可欠な要素です。
ここからは、従業員10人未満の事業所が就業規則を作成するメリットをお伝えしていきます。

労務管理がよりやりやすくなる

既にお伝えした通り、従うべき合理的ルールがあれば、ない場合に比べて発生するストレスが小さくなりますが、これは経営者にとっても同じと言えます。
例えば、従業員を雇用するにあたって、次のような問題の発生が想定されます。

・業務の指示に従わない従業員への対応をどうするか
・無断欠勤が続いている従業員の処遇をどうするか
・従業員が欠勤した際に給与の減額計算をどうするか
・業務の成果を正当に評価し、給与その他の待遇改善を求める従業員への対応をどうするか
・診断書を提出してきた従業員への対応をどうするか

など、全てを挙げるにはキリがないほど、本当にありとあらゆる問題が発生します。
決まったルールがなければ、どうしても場当たり的な対応が避けられません。前回のAさんと今回のBさんで取り扱いが異なる、なんてことも起こり得えます。
その都度どうするか対応を考えることは時間と労力を必要とする一方、これらの投じたコストに対して利益を生むものではありません。そのためつい後回し、場当たり的になってしまうのも当然と言えるでしょう。
そこで、これらの「どうするか」の答えとなるのが就業規則です。就業規則は作成後も常に内容の精査を繰り返し、より良いものにしていくものではありますが、まず決まったものがあることで対応へのハードルがぐっと下がります。
その結果、都度の対応に投じていた時間と労力コストを事業拡大のために費やすことができ、健全な組織拡大につながります。

従業員との意見交換のきっかけとなる

就業規則、もしくはそれに準ずるルールは従業員が管理される根拠となるものであり、その内容が合理的なものであれば管理される従業員としては100%とは言えずとも納得のうえ、一定その処遇に満足のうえ仕事に取り組むことが期待できます。
例えば、次のような2つのルールがあるとします。

ルール① 基本給は経営者が随時決定する。明文化されていない。
ルール② 就業規則に「基本給は年1回、前年度の成約件数×〇〇円を基本給に反映し昇給させる」と定めている。

①からは、経営者のさじ加減である、といった印象を強く受けるでしょう。
もちろん、堅苦しいことは言わず、従業員が頑張っていれば随時昇給してあげたい、と考えてのこともあるでしょう。その真意が十分に伝わっていればいいですが、経営者と従業員の関係性に左右されるリスクが常にあるため、誤解を与えてしまうことは少なくありません。
一方②は、昇給ルールが明確であり、自身の望む昇給額のための条件が明確である、と一旦納得が期待できる内容になっています。
もちろん、その条件達成の困難度にもよりますが、その点は先にお伝えしたように合理的であるか否か、十分検討する必要があります。
このようにルールが明示されていることで、従業員が納得・満足できるかできないかの判断が細分化されます。
①のようにルールが明示されていないと、そもそも納得がいかない、なぜなのか、といった大きな論点での不満となり、論点が大きいままだと協議もスムーズに進みませんし、そもそも意見を言っても無駄だ、と協議の場に挙がらないこともあるでしょう。
一方、②ルールは明示されているが、この条件は困難度が高すぎる、というように論点が絞れれば、意見を意見する意欲も①よりは高くなり、より具体的に協議を進められることが期待できます。
このように、ルールを明示することで一定の満足が得られる、もしくは意見を得て協議のうえ改善を検討していくことの積み重ねが健全に組織を拡大していくことにつながります。

助成金活用をスムーズに検討できる

厚生労働省では従業員を雇用する事業主に様々な助成金が用意されています。
助成金を申請するにあたって就業規則の提出が必要となるものが多く、就業規則の作成が義務付けられていない事業主にあってはそれに変わる書面の作成が必要となる場合があります。
このような場合も就業規則が備わっていれば助成金に該当する見込があるか、見込がある場合の申請に向けた手続きも、就業規則がない場合に比べてよりスムーズに進めることが期待できます。
そもそも、助成金は社内ルールを整備したうえで従業員の雇用、育成、処遇改善に取り組む事業主への報奨金としての意味合いが強いため、活用できる助成金のチャンスを逃さぬよう、早期から就業規則を備えるのが望ましいでしょう。
なお、就業規則もしくはそれに準ずるものが必須となる助成金は多数あり、その最たる例がキャリアアップ助成金です。
キャリアアップ助成金は2023(令和5)年11月の改正で、初めて正社員転換制度を導入の上規定を整備し正社員に転換した場合、1人目の申請時に加算を受けられるようになりました。
この加算をきっかけに10人未満の事業所でも就業規則を作成するケースも増えています。
このように、作成が任意であるうちから就業規則を整備することにより得られるメリットがありますので、早期の就業規則整備をおすすめします。

高年齢者雇用状況等報告書の記入方法

ここからは高年齢者雇用状況等報告書の記入方法を解説します。
提出方法は「届いた報告書様式での提出」「ワードで作成した書面での提出」「電子申請による提出」の3つがあります。

届いた様式に記入

3つの提出方法の中で最も取り組みやすい方法が届いた報告書様式への記入です。
記入例を参考に解説します。
(左ページ)

①~⑦ 事業主情報


⑦の雇用保険適用事業所番号が不明な場合は、雇用保険適用事業所設置届事業主控もしくは雇用保険被保険者資格喪失届に記載がありますのでそちらで確認が可能です。
(参考)雇用保険被保険者喪失届|ハローワークインターネットサービス

⑧・⑨定年制の状況


定年の有無、定年制度の改定・廃止予定の有無を記入します。

⑩・⑪雇用継続制度の状況


雇用継続制度の就業規則への記載有無、経過措置により雇用確保措置の上限年齢を限定している場合は上限年齢、経過措置の規定方法等を記入します。

⑫・⑬創業支援等措置


雇用ではない働き方の導入もしくは導入予定の有無、その内容を記入します。
(右ページ)

⑭65歳を超えて働ける制度


現状努力義務とされている65歳を超えて働ける制度の導入もしくは導入予定の有無、上限年齢、制度の規定方法等を記入します。

⑮常用労働者数


常用労働者とは、週の所定労働時間が20時間以上の労働者であって、1年以上継続して雇用している、もしくは雇用が見込まれる労働者を指します。

⑯過去1年間の離職者の状況


45歳以上の労働者を解雇した場合、その人数を記入します。
求職活動支援書とは、事業主都合の解雇等、又は経過措置としての継続雇用制度の対象となる高年齢者にかかる基準に該当しなかったことによる離職予定の高年齢者等が希望した際に、対象労働者の職歴や業績等を記入のうえ作成・交付する書面です。
(参考)求職活動支援書の作成・交付義務について|厚生労働省北海道労働局

⑰65歳まで働ける制度の適用状況


定年到達者数、定年で退職した人数、継続雇用された人数等を記入します。

⑱65歳を超えて働ける制度の適用状況


⑰と同様に記入します。

⑲経過措置による場合の適用状況


経過措置に基づいた運用を行っている場合、対象者数や雇用継続基準に該当・該当しなかった人数等を記入します。

⑳65歳を超えて働ける制度に基準を設ける場合の適用状況


⑲と同様に記入します。

ワードでの作成も可能

高年齢者雇用状況等報告書はワードでの作成も可能です。入力する必要がある内容は、報告書様式の場合と同じです。
ワードでの作成にあたっては厚生労働省より最新の様式が提供されていますが、改正法の施行や経過措置の終了等により様式が変更になることがありますので、必ず最新の様式を入手のうえ作成してください。

(参照)高年齢者雇用状況等報告書及び記載要領等|厚生労働省

電子申請も可能

既にハローワークや年金事務所への入退社手続き、労働基準監督署への就業規則や労使協定の提出を電子申請で行っている場合は、e-Govでの電子申請がおすすめです。
高年齢者雇用状況等報告書の電子申請手順について、詳しくはこちらをご覧ください。

(参照)申請の手順解説|厚生労働省

まとめ

就業規則の作成が義務付けられていなくても、作成することが望ましいという観点で任意の就業規則作成についてご紹介しました。
繰り返しになりますが、就業規則の作成義務がない=作成の必要がないのではなく、組織である以上作成の必要は十分あります。
組織が小さいうちから就業規則を作成し見直していくことで、組織が健全に拡大していくことにつながることが期待できます。
現状就業規則の作成義務がない規模の事業においても、長期的な観点から就業規則の作成を検討していただけますと幸いです。

過半数労働組合もしくは過半数代表の意見を聞く

就業規則を変更する場合には、作成する場合と同様に、過半数労働組合もしくは過半数代表の意見を聞くことが必要です(労働基準法90条1項)。
職場の過半数の労働者から組織される労働組合のことを過半数労働組合といい、過半数労働組合がある場合には過半数労働組合から意見を聴取します。
職場に過半数労働組合がない場合には、労働者の過半数を代表する過半数代表者を選任して、意見を聴取します。
これらの意見の聴取をしたものについては、届出の際に意見書として提出することになります。
意見書は就業規則変更届と一緒に厚生労働省のホームページからダウンロードします。

就業規則変更届を提出する

就業規則変更届を提出します。
就業規則を変更した場合には、就業規則変更届を提出することになります。
就業規則変更届については、厚生労働省のホームページから取得できます。
参考:就業規則変更届|厚生労働省 ※Wordファイルがダウンロードされます
上述した過半数労働組合・過半数代表者の意見書もこのファイルの中にあります。

ひな形を使って良いのか

インターネットで検索をすれば容易に就業規則のひな方を入手することができます。
では、このひな形を使って就業規則を作成しても良いのでしょうか。
確かに、これらを利用すれば容易に作成でき、かつ絶対的必要記載事項についても記載を失念することは無いといえるでしょう。
しかし、上述したように、就業規則には業種ごとに作成にあたっての注意点があり、これらをひな形に適切に落とし込む必要があります。
また、会社ごとにひな形に記載されている文言を変更する必要がありますが、その内容が労働基準法等の法律に違反しないようにする必要があります。
ひな形を使う場合には、自社の事情にあっているか、法律に違反していないかなど、慎重に精査しましょう。

専門家への相談の要否

就業規則の作成について、専門家に相談する必要はあるのでしょうか。
就業規則は基本的な事項であり、慎重な作成が求められます。
作成にあたっては労働関係の法律についての知識が必要であり、その内容は非常に難解です。
そのため、できれば専門家に相談しておくのが望ましいといえるでしょう。

まとめ

このページではテレワーク・在宅勤務を導入する場合に就業規則をどうすれば良いかについてご紹介しました。
テレワーク・在宅勤務にあわせた就業規則が必要であり、過半数代表の同意や変更届の手続きも必要です。
どのような就業規則であればトラブルが発生しないかわからない、という場合には必ず専門家に相談することにしましょう。

電子申請を行うメリット

労働保険の年度更新について、インターネットで申請を行う電子申請には、次のようなメリットがあります。


各種機関に直接出向く必要がない
自宅やオフィスからいつでも手続きが可能


まず、上述したように、申告書を紙で提出する場合、直接労働基準監督署などの機関に出向いて手続きをする必要があります。
電子申請の場合、直接出向く必要はありません。
また、申告書を紙で提出する場合、各種機関の窓口が稼働している時間に出向く必要があります。
しかし、電子申請であれば、自宅やオフィスから24時間いつでも行なえます。
移動時間や費用を節約することが可能といえます。

電子申請に必要なもの

労働保険の年度更新の電子申請に必要なものには次の3つがあります。


パソコン
電子証明書
e-Gov(電子政府の総合窓口)のアカウントとアプリケーションのインストール


まず、電子申請はパソコンで使用するアプリが必要となるので、パソコンが必要です。
インターネットが利用できてもスマートフォン・タブレットでは電子申請はできませんので注意が必要です。
次に、労働保険の年度更新には電子証明書が必要です。
電子証明書とは、電子申請をする際に送信する電子データが原本であること・改ざんされていないことを証明するためにつけられるものです。
電子証明書は認証局で作成しますが、e-Govを利用するにあたって動作確認がとれている電子証明書の認証局は、次のe-Govのホームページに公開されています。

参考:
認証局のご案内|e-Gov(URL:https://shinsei.e-gov.go.jp/contents/preparation/certificate/certification-authority.html

さらに、e-Govのアカウントを取得した上で、パソコンにアプリケーションをインストールする必要があります。
アプリケーションはWindows・Macどちらにも対応しています。

電子申請の手続

労働保険の年度更新を電子申請で行う場合の手続きは次の通りです。

賃金集計表を作成する


紙で行う場合と同様に賃金集計表を作成します。

e-Gov電子申請手続検索を利用して「労働保険年度更新申告」を検索する


e-Govの電子申請はとてもたくさんの種類があります。
労働保険の年度更新の手続きのページには、手続検索から「労働保険年度更新申告」と検索すると遷移することができます。

申請書入力画面に必要事項を入力


労働保険年度更新申告の申請書入力画面に必要事項を入力します。
入力したデータと電子証明書を保管します。

保管したデータを送信


保管したデータと電子証明書の送信を行います。

保険料を納付する


送信が終わると保険料の納付に必要な情報が表示されるので、保険料の納付を行います。

市販の電子申請ソフトや労務管理システムで電子申請を行うことも可能

e-Govは外部連携APIを公開しているので、これを使って申請ができる電子申請ソフトや労務管理システムが市販されています。
これらを用いて労働保険の年度更新をすることも可能です。

まとめ

このページでは労働保険の年度更新についてお伝えしました。
労働者を雇用していると手続きが必要となる労働保険は年度更新が必要で、適切に行わなければペナルティを課せられることもあります。
適切に行えるよう不明点がある場合には専門家に相談するようにしましょう。

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