【2026年10月義務化】中小企業と人事担当者が今すぐやるべき「カスハラ対策」実務ポイントを社労士が解説

更新日:2026/07/07

法改正

経営者様、人事担当者様、自社のハラスメント対策は万全でしょうか?2026年10月1日より、企業における「カスタマーハラスメント(カスハラ)」および「求職者等に対するセクシュアルハラスメント」の防止対策が義務化されます。
従業員を守り、企業の信頼を維持するためには、今から社内体制を整備しておくことが不可欠です。
本コラムでは、法律の指針に基づいた具体的な実務対応のポイントを、分かりやすく解説します。

2026年10月から「カスハラ対策」が企業の義務へ



2026年10月より、ハラスメント対策が強化され、顧客等からの著しい迷惑行為である「カスタマーハラスメント(カスハラ)」への防止措置を講じることが、すべての企業に義務付けられます。 労務担当者は、施行に向けて方針の策定や相談窓口の整備などを早急に進める必要があります。

どこまでが対象?「職場」「従業員」「カスハラ」の定義



対策を進めるうえで重要なのは、法律が定める適用範囲を正しく理解することです。


  • 「職場」の範囲:社内(通常の就業場所)だけでなく、取引先の事務所、打ち合わせで使用する飲食店、顧客の自宅など、従業員が業務を遂行するすべての場所が該当します。

  • 「従業員」の範囲正社員はもちろん、契約社員、パート・アルバイト、さらには派遣労働者(派遣元・派遣先の双方に義務あり)も保護の対象となります。

  • 「従業員」の範囲:「社会通念上許容される範囲を超えた言動(過度な要求や暴言など)」により、「従業員の就業環境が害されるもの」を指します。対面だけでなく、電話やSNS上での発信も対象です。ただし、正当なクレームや、障害に関する合理的配慮の要請などはカスハラには当たりません。



企業が必ず講じるべき「5つの義務(措置)」



指針では、企業が必ず取り組むべき措置として以下の5つが定められています。


  • 企業の方針等の明確化と周知・啓発(毅然とした態度で対応し、従業員を守る方針を示す)

  • 相談体制の整備(相談窓口を定め、担当者が適切に対応できるようにする)

  • 事後の迅速かつ適切な対応(事実確認、被害者への配慮、再発防止)

  • 実効性確保のための抑止措置(悪質なカスハラへの対処方針の策定)

  • その他の措置(プライバシーの保護や、相談を理由とした不利益取扱いの禁止)



ここで注意すべきは、すべての苦情を「カスハラ」と決めつけないことです。正当な苦情はサービスの改善に繋がる重要な声でもあるため、顧客の事情にも配慮するバランス感覚が求められます。

人事担当者が今すぐ進めるべき3つの実務対応



義務化に向けて、現場が混乱しないように以下の3つの実務対応を今日から進めましょう。


  • 対応マニュアルの整備:現場での初期対応の手順や、警察へ通報する基準、本社への報告フローなどをルール化します。さらに「どの段階で対応を打ち切るか(退店要請や通話の終了など)」の基準や、録音・録画の運用ルール(実施の判断基準や利用目的の公表など)も定めておくことが重要です。

  • 被害者への配慮・プライバシー保護の徹底:カスハラが発生した場合、暴言等があれば上司が対応を代わり、被害に遭った従業員を現場から離して安全を確保します。また、従業員が精神的ダメージを負った場合に備え、産業医や産業カウンセラーなどの専門家によるケア体制を整えておくことも必要です。

  • 従業員への教育研修:現場の従業員や管理職に対して、「何が悪質なカスハラで、何が正当な苦情なのか」を判断するための研修を実施します。過去の事例を用いたロールプレイなどを通じて初動対応を学んでおくことで、未然防止効果も期待できます。



カスハラ対策にお悩みの中小企業様へ

「自社の業種に合ったマニュアルをどう作ればいいか分からない」「研修をするリソースがない」とお悩みの中小企業経営者様、人事担当者様は、ぜひ一度ご相談ください。カスタマーハラスメント対策は、単なる法令遵守ではなく、大切な従業員のメンタルヘルスを守り、企業価値を向上させるための「投資」です。 

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2026年10月の施行直前は大変な混雑が予想されます。早めの対策で、安心して働ける職場環境づくりを進めましょう。まずはお気軽にお問い合わせフォーム、またはお電話にてご相談ください。


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