【2026年1月開始】協会けんぽの「電子申請」で何が変わる?企業の労務担当者が準備すべき3つのポイント

更新日:2026/02/17

労務管理

テレワークは、インターネットやパソコンなどの情報通信機器を活用し、オフィスから離れた場所(自宅、コワーキングスペースなど)で仕事をする働き方です。これは、一人ひとりのライフスタイルに合った働き方を実現するための有効な選択肢であり、特に育児、介護、治療、障害といった多様な事情を抱える従業員にとって、仕事を継続する上で重要になります。
近年、テレワークは「柔軟な働き方」として一層推進されており、2025年4月・10月施行の育児・介護休業法の改正においても、テレワークを働き方の一つとする制度導入など、活用を促す動きが見られます。 しかし、導入に際しては、「労働時間の管理が難しい」「長時間労働になりやすい」といった課題も伴います。法令を遵守し、従業員の健康を守るためには、適切な労務管理が不可欠です。
本コラムでは、中小企業の経営者様、人事担当者様が、法改正の波に乗りつつ、労務リスクを回避しながらテレワークを円滑に導入・実施するための重要ポイントを、社会保険労務士の視点から解説します。

2026年、協会けんぽの手続きがスマホで完結へ



これまで紙の申請書でのやり取りが中心だった全国健康保険協会(協会けんぽ)の手続きですが、2026年(令和8年)1月13日より、いよいよ「電子申請サービス」が開始されます。
これにより、自宅や職場のパソコン、スマートフォンを使ってインターネット経由で申請が可能になります。また、同時期に「けんぽアプリ」のリリースも予定されており、利便性の向上が期待されています。

本記事では、新しく始まる電子申請サービスの概要と、中小企業の経営者様・人事労務担当者様が制度開始までに押さえておくべき準備について解説します。


電子申請サービスのメリットとは?



電子申請の導入には、従業員・企業双方にとって以下のようなメリットがあります。


  • ミスの防止:システム上の入力チェック機能により、記入漏れや誤入力を防げます。

  • コストと時間の削減:郵送にかかる費用や、投函・封入の手間がなくなります。また、郵送のタイムラグも解消されます。

  • 状況の見える化:審査状況をスマホやPCから随時確認できるようになります。特に、傷病手当金や出産手当金など、従業員の生活に関わる給付金の手続きがスムーズになる点は大きなメリットと言えるでしょう。




ここが注意点!「企業」は申請できない?



この新サービスで最も注意が必要な点は、「企業の労務担当者は利用できない」という仕様です。
申請ができるのは、以下のいずれかになります。


  • 1.被保険者(従業員本人)および被扶養者

  • 2.社会保険労務士



つまり、これまでのように「会社が従業員に代わって申請書を作成し、会社名義で提出する」という形ではなく、従業員本人が自分のスマホ等で申請するか、社会保険労務士が代理で電子申請するかのどちらかになります。
※なお、入社・退社時の「資格取得届・喪失届」など、年金事務所(日本年金機構)へ提出する書類については、従来どおり企業が対応する必要があります。今回の変更はあくまで「協会けんぽ」へ提出する書類が対象です。


労務担当者が今から準備すべき3つのこと



2026年の開始に向け、労務担当者様には以下の準備をおすすめします。


  • 業務フローの再構築:これまでは会社が書類を取りまとめて郵送していた場合、今後は「従業員本人に電子申請を促す」のか、引き続き「会社経由で(社労士等を通じて)行う」のか、社内のルールを決める必要があります。

  • 従業員への周知とマイナンバーカードの取得推奨:従業員本人が申請する場合、本人確認のためにマイナンバーカードが必要になります。スムーズな運用のために、マイナンバーカードの取得や「マイナポータルアプリ」の準備を従業員へ案内しておきましょう。

  • 社会保険労務士との連携確認:社会保険労務士に手続きを依頼する場合、従業員からの「委任状」が必要になります。どの手続きを社労士に任せるか、添付書類の受け渡しはどうするかなど、事前に連携方法を相談しておくことが重要です




まとめ:社内フローの見直しと専門家との連携を

協会けんぽの電子申請化は、ペーパーレス化を進める絶好の機会ですが、開始当初は社内ルールの変更や従業員からの問い合わせ対応などで、一時的に業務負担が増える可能性もあります。
弊社では、電子申請に対応した社内フローの構築支援や、煩雑な手続きの代行を承っております。「自社の場合、どのように対応するのがベストか知りたい」「電子申請の代理をお願いしたい」という事業者様は、ぜひお気軽にご相談ください

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