【2025年10月適用】19~23歳の扶養認定要件が「150万円の壁」へ!人事が今すぐ知るべき変更点とフロー
更新日:2026/01/09
法改正
テレワークは、インターネットやパソコンなどの情報通信機器を活用し、オフィスから離れた場所(自宅、コワーキングスペースなど)で仕事をする働き方です。これは、一人ひとりのライフスタイルに合った働き方を実現するための有効な選択肢であり、特に育児、介護、治療、障害といった多様な事情を抱える従業員にとって、仕事を継続する上で重要になります。
近年、テレワークは「柔軟な働き方」として一層推進されており、2025年4月・10月施行の育児・介護休業法の改正においても、テレワークを働き方の一つとする制度導入など、活用を促す動きが見られます。
しかし、導入に際しては、「労働時間の管理が難しい」「長時間労働になりやすい」といった課題も伴います。法令を遵守し、従業員の健康を守るためには、適切な労務管理が不可欠です。
本コラムでは、中小企業の経営者様、人事担当者様が、法改正の波に乗りつつ、労務リスクを回避しながらテレワークを円滑に導入・実施するための重要ポイントを、社会保険労務士の視点から解説します。
なぜ健康保険の被扶養者認定要件が変わるのか?
近年、深刻な人手不足が続く状況において、労働力の確保と「年収の壁」による就業調整(働き控え)への対策が課題となっています。就業調整とは、扶養から外れないようにするために、収入や労働時間を調整することを指します。
扶養家族が扶養から外れてしまうと、親である従業員の所得税が増加したり、子ども自身に健康保険料の負担が発生したりと、世帯収入に影響が出ることがあります。この就業調整は人手不足の一因とも言われており、労働力確保を目指す企業にとって悩ましい問題です。
こうした背景から、税制改正(特定扶養控除の見直しや特定親族特別控除の創設など)に合わせ、19歳以上23歳未満の被扶養者に係る健康保険上の認定要件が変更されました。これにより、年収の壁を意識して働き控えをしていた19歳以上23歳未満の家族は、扶養の範囲内で収入を増やしやすくなります。
2025年10月1日からの認定要件変更の概要
変更の対象者と適用開始日
今回の認定要件の変更対象となるのは、扶養認定日を含む年の「12月31日時点の年齢が19歳以上23歳未満」の認定対象者です。ただし、被保険者の配偶者は対象外です。
- 適用開始時期:2025年10月1日以降の被扶養者認定から
年間収入要件が130万円から150万円へ
19歳以上23歳未満の認定対象者について、健康保険の被扶養者としての年間収入要件が「130万円未満」から「150万円未満」に変わります。
年間収入とは、今後1年間の収入見込額を指します。過去の収入額ではないことに注意が必要です。この年間収入には、給与収入のほか、年金収入、失業手当、傷病手当金、出産手当なども含まれます。
また、この認定要件の判断においては、学生であるか否かは問われません。就職活動中やパート・アルバイトであっても、19歳以上23歳未満であり年間収入が150万円未満であれば年間収入要件を満たします。
労務担当者が実務で押さえるべき重要ポイント
判断基準は「扶養認定日」
変更前の要件(130万円未満)と変更後の要件(150万円未満)のどちらを適用するかは、届出日ではなく扶養認定日を基準として判断します。
- 扶養認定日が2025年10月1日以降であれば、変更後の年間収入要件(150万円未満)が適用されます。
- 届出日が10月1日以降であっても、扶養認定日が2025年9月30日以前の場合は、変更前の年間収入要件(130万円未満)が適用されます。
すでに扶養認定されている方への影響
今回の認定要件の変更は、新たに扶養に入れる場合だけでなく、すでに扶養認定されている方にも影響します。
2025年9月30日以前に扶養認定済みの19歳以上23歳未満の被扶養者についても、2025年10月1日以降は、変更後の年間収入要件(150万円未満)で判断されます。
年間収入要件が130万円に戻るタイミング
被扶養者の年齢が12月31日時点で22歳の場合、翌年からは年間収入要件が150万円から130万円に戻ります。
当該被扶養者の翌年1月1日時点における年間収入が130万円以上150万円未満である場合は、被扶養者の要件を満たさなくなるため、速やかに被扶養者削除(非該当)の手続きが必要となります。
一時的な収入増への「事業主証明」の取り扱い
これまでは、被扶養者の収入が一時的に年間収入要件(130万円)を超えた場合でも、「年収の壁・支援強化パッケージ」に基づき事業主の証明があれば、引き続き被扶養者として認定されていました。
今回の19歳以上23歳未満の認定要件の変更についても同様に、年間収入が150万円を一時的に超えた場合でも、事業主証明により扶養認定を継続することができます。
この措置は、新たに被扶養者としての認定を受けようとする19歳以上23歳未満の家族も対象となります。
企業の具体的な対応事項と周知の重要性
労務担当者は、認定要件の変更を踏まえた適切な対応や手続きを円滑に進めるために、以下の対応を実施することが重要です。
- 社内への徹底周知:従業員に対し、認定要件の変更について周知します。特に19歳以上23歳未満の家族を持つ従業員がいる職場では、早めに周知することをおすすめします。年間収入が150万円までは扶養の範囲内で働けることを伝えることで、労働時間を増やしてもらい、人手不足を緩和できる可能性もあります。
- 社内様式などの見直し:被扶養者の申出書など、社内様式がある場合は、認定要件の変更を反映した内容に改める必要があります。社内システムを通じて申出を受ける場合は、フォーム画面の改修が必要です。
- 扶養手続きのポイント整理:変更後の認定要件が適用されるか確認するためのポイント(認定対象者の生年月日、配偶者かどうか、扶養認定日が2025年10月1日以降か)を整理しておくと、手続きがスムーズに進みます。
まとめ:最新の制度変更への対応は専門家へ
2025年10月1日からの健康保険の被扶養者認定要件の変更は、「年収の壁」対策として重要なものであり、従業員の働き方や企業の労務管理に大きな影響を与えます。
労務担当者は、変更内容を正しく理解し、従業員への周知を適切に行うとともに、内部の手続きや様式を改正に合わせて見直す必要があります。特に、扶養認定日が2025年10月1日以降か否か、また、扶養収入が一時的に150万円を超えた場合の「事業主証明」の取り扱いなど、実務上の判断が複雑になります。
貴社では、この制度変更に関する従業員への周知、社内規定の見直し、そして複雑な被扶養者認定手続きについて、万全の体制を整えられていますでしょうか?
日本社会保険労務士法人では、健康保険の被扶養者認定要件の変更を含む最新の法改正情報に基づき、企業の労務管理体制をサポートしております。
従業員からの疑問への対応、社内様式の改訂、そして正確な被扶養者認定手続きをサポートし、人事担当者様の業務負担を軽減いたします。2025年10月からの変更対応についてのご相談は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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労務担当者は、変更内容を正しく理解し、従業員への周知を適切に行うとともに、内部の手続きや様式を改正に合わせて見直す必要があります。特に、扶養認定日が2025年10月1日以降か否か、また、扶養収入が一時的に150万円を超えた場合の「事業主証明」の取り扱いなど、実務上の判断が複雑になります。
貴社では、この制度変更に関する従業員への周知、社内規定の見直し、そして複雑な被扶養者認定手続きについて、万全の体制を整えられていますでしょうか?
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