【2025年最新】年金制度改正法が成立!パートの社会保険適用拡大や「106万円の壁」撤廃など、企業と従業員が知るべき重要ポイントを徹底解説

更新日:2025/09/16

法改正

近年、働く人々のメンタルヘルス対策の重要性がますます高まっています。特に、長時間労働や職場のハラスメントなどが原因で精神的な不調を抱える労働者が増加している状況を踏まえ、労働安全衛生法等の改正が進められています。
これまで従業員数50人以上の事業場に義務付けられていたストレスチェック制度ですが、2025年5月に改正労働安全衛生法案が可決され、今後従業員数50人未満の事業場にも義務化される見通しとなりました。これは、多くの中小企業にとって、新たな対応が求められる重要な変更点です。
本コラムでは、中小企業におけるストレスチェック義務化について、その背景や制度の概要、企業が直面しうる課題、そして今から準備すべき対応策について、提供されたソースに基づいて詳しく解説します。


2025年年金制度改正法とは?



2025年6月、私たちの老後の生活に深く関わる「年金制度改正法」が成立しました。この改正は、働き方の多様化や社会経済の変化に対応し、誰もが性別や働き方にとらわれず、安心して生活できる社会を目指すものです。
今回の改正には、短時間労働者(パート・アルバイト)の社会保険適用拡大や、働きながら年金を受け取る際のルールの見直しなど、企業の人事労務担当者や従業員一人ひとりが知っておくべき重要な変更点が数多く含まれています。

本記事では、この年金制度改正法の主要なポイントを分かりやすく解説します。

社会保険の適用対象が大きく拡大



今回の改正で最も影響が大きいのが、短時間労働者に対する社会保険の適用拡大です。これにより、より多くの人が将来の年金増額や、病気・ケガをした際の収入保障といったメリットを受けられるようになります。

ポイント1:企業規模要件の撤廃



現在、短時間労働者が社会保険に加入するには、勤務先の企業の被保険者数が「51人以上」である必要があります。この企業規模の要件が2027年10月から段階的に拡大され、最終的には撤廃されます。これにより、企業の規模にかかわらず、週20時間以上働く短時間労働者は社会保険に加入できるようになります。

ポイント2:「年収106万円の壁」の撤廃



社会保険料の負担を避けるために勤務時間を調整する、いわゆる「年収106万円の壁」が、今回の改正で撤廃されることになりました。これまで、短時間労働者が社会保険に加入するかどうかの基準の一つに賃金要件がありましたが、これがなくなることで、従業員は収入を気にせず、より柔軟に働けるようになります。 なお、撤廃の具体的な時期は、全国の最低賃金の状況を踏まえて検討される予定です。

ポイント3:個人事業所の適用拡大



現在、社会保険の適用事業所は法律で定められた17業種に限られていますが、2029年10月からは、従業員が常時5人以上いる個人事業所であれば、業種を問わず適用対象となります。これにより、これまで対象外だった業種の個人事業所で働く従業員も社会保険に加入することになります。 ただし、施行時点で既に開業している事業所は当面対象外となるなどの経過措置も設けられています。

【高齢者雇用】在職老齢年金制度の見直しで働きやすさが向上



60歳以上で働きながら老齢厚生年金を受け取る場合、賃金と年金の合計額が一定基準を超えると年金の一部または全部が支給停止される「在職老齢年金制度」があります。
この支給停止の基準額が、現在の「50万円」(2024年度)から2026年4月には「62万円」へと大幅に引き上げられます。これにより、年金の減額を気にせずに働ける高齢者が増え、就労意欲の向上が期待されます。

【遺族保障】遺族年金制度における男女差の解消



遺族厚生年金制度において、これまで男女で異なっていた受給要件が見直されます。
特に、子どものいない配偶者が受け取る遺族厚生年金について、男女差が解消されることになりました。女性の就業率向上といった社会の変化を背景にしたもので、2028年4月から実施されます。これにより、夫を亡くした妻、妻を亡くした夫のどちらの場合でも、年齢に応じた共通のルールが適用されることになります。

また、遺族基礎年金についても、これまで生計を同じくする親がいると子どもは受給できませんでしたが、親が遺族基礎年金を受け取れない場合には、子ども自身が受給できるようになるなど、子どもの保障が手厚くなります。

【高所得者層】厚生年金・標準報酬月額の上限引き上げ



厚生年金の保険料や年金額の計算の基礎となる標準報酬月額の上限が、現在の65万円から2027年9月以降、段階的に75万円まで引き上げられます。
これにより、高所得の従業員は将来受け取る年金額が増える一方で、毎月の保険料負担も増加します。保険料を折半する企業の負担も同様に増えるため、注意が必要です。

【資産形成】iDeCo・企業型DCなど私的年金制度も拡充



公的年金に加えて、老後の資産形成を支える私的年金制度もより使いやすくなります。


  • iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入可能年齢が70歳未満に引き上げ

  • 企業型DC(企業型確定拠出年金)で、従業員が上乗せする掛金(マッチング拠出)の上限に関する制限が撤廃

  • 企業年金の運用状況が公表され、「見える化」が進む



これらの改正により、個人がより長く、柔軟に老後の資産形成に取り組める環境が整備されます。

まとめ:法改正に向けて企業が今から準備すべきこと

2025年6月からの法改正により、職場の熱中症対策は「義務」となります。しかし、多岐にわたる対策を漏れなく、かつ自社の状況に合わせて実施していくことは容易ではありません。
今回の年金制度改正は、パート・アルバイトの社会保険加入手続き、給与計算、高齢者雇用の推進など、企業の人事労務実務に直接的な影響を与えます。
施行は数年先のものもありますが、対象となる従業員の特定や就業規則の見直し、従業員への説明準備など、今から対応を検討し始めることが重要です。

お問い合わせ



今回の年金制度改正は、企業の労務管理や従業員の働き方に大きな変化をもたらします。「自社にはどのような影響があるのか?」「具体的に何を準備すればよいのか?」など、ご不明な点がございましたら、専門家にご相談ください。

弊社では、最新の法改正に対応した人事労務コンサルティングや給与計算アウトソーシングサービスを提供しております。貴社の状況に合わせた最適な対応策をご提案いたしますので、どうぞお気軽にお問い合わせください。

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